にべないオウジ



私も二本目を飲もうと思ったけど、手を伸ばすとオウくんに奪われてしまったので飲めなかった。


「ひどぉーい。ちなみに俺は中1」

「はやっ。ていうか透子の前でそんな話しないでよね。透子、お箸止まってるよ」

「えっあ、うん」


初体験、がなんの意味が分からないほど私は子供じゃない。だけどその言葉を聞くだけで動揺してしまうくらいには、まだまだ子供だ。

オウくんは何も動揺することなく鶏のつくねを食べているし、キリちゃんは何だかんだ言いながら遊馬くんの話を聞いてあげている。


「へえー、キリちゃん彼氏いたんだ。俺別に彼氏いるとかいないとかどうでもいいし、いつでも誘ってねー」

「いや軽すぎでしょ。誘わんわ」

「んもう、連れないなぁ」


オウくんは私が作ったつくねばっかり食べていて、それが少しくすぐったかった。


「てかそれこそ桜司の方が早そう。なあ?桜司様ぁ?透子ちゃんの作ったつくねばっか食べてんなよ」

「うるさい喋りかけんな酔っ払い」

「酔ってないしぃ。な、透子ちゃん。こいつのそういう話知らねーの?なんか小学校の時にもう終わらせてそうじゃない?」

「え、知ら、知らない」


遊馬くんが私の肩に腕を回して柔く抱くので、思わず顔の表情を固めてぶんぶんと首を振る。

その瞬間オウくんの長い脚が私の前を通り過ぎて、その向こうにいる遊馬くんのお腹を蹴飛ばした。うわ、痛そう。