青春の花は素顔に咲く



 好きという気持ちを押さえつけるのは、無理なんだろうなって思ったら気が楽になった。
 だけど。それを悟られてはいけない。
 優しい白銀を困らせてはいけないから。

 あたしは慌ててメイクなおして家を飛び出した。

 そして、走って、走って、走った。

「お待たせ……! あれ、男の子は?」
「警察が保護者を連れてきたから、引き渡した」
「よかった……あ、はい、タオルと着替え。お父さんのだけど」
「助かる。すごい汗だけど、別に急がなくてよかったんだが」
「だって、白銀が心配だから。目、見えてないんでしょ?」
「……まあ、ああ、そうだな」

(絶対その設定今忘れてたよね)

 やっぱり、嘘なんだね。コンタクトを落としただなんて。

(本当、優しいなあ)

 リーゼントがほどけて、長く垂らした金髪を拭う白銀。

 髪の毛がキラキラ光って……その時何かを思い出しそうになった。