青春の花は素顔に咲く

「これ、使え」

 タオルだった。あたしの顔の上にタオルがのっていた。

「無理に、顔を上げなくてもいいから、風邪をひく前に」
「でも、白銀が」
「オレは男だ、これぐらいで……くしゅ」
「ダメだよ! 仕事もあるし……あっ」

 顔を上げてしまいあたしは茫然とする。

「オレ、実はコンタクトも流されてて、お前の顔よく見れねーんだよ。家に帰るにも、コンタクト探さないと。だから、先に一回かえって着替え用意してくれないか?」

(絶対嘘だ、白銀がコンタクトなんて聞いたことない)

 でも。

「わかった! すぐ戻るから!」
「オレは少し一人になりたいから、遅くでいい」
「……ありがと!」
「わがまま言ってるのはオレだぞ」
「……そう、だね」

 涙があふれて止まらないのを見せないようにあたしは歩いた。

 そしてやっぱり、あたしは。




 ……白銀が、大好きだ。