青春の花は素顔に咲く



 のんびり、あたし達はドリンクバーのある場所へ向かっていた。 
 その時だった。

「たすけてえええ」
「なんか、声聞こえるな」
「助けてって言ってない?」
「あの川か? おい、黒野、あれ……」
「川に小さな男の子が……って、あっ白銀、まって」

 走りだす白銀を追いかけるあたし。
 追いついた、と思ったとき。

「ちょっと白銀!? 何飛び込んで」
「お前はここにいろ、黒野!」

(嘘でしょ!?)

 サングラスを投げ捨てて、白銀は鈹の中に入っていった。素顔が見えるのに!
 あわわとなりながらあたしも気づいたら川に入っていて。