青春の花は素顔に咲く



 気が付けばあたしはまた眠っていたらしい。
 夢すら見ずに、ぐっすりと。

「ふあ……あれ? 白銀から連絡が入ってる」

 なんだろう。何かあったのかな。

「……一緒にどこかで勉強しないか? まあ、行くよねそりゃ」

 会うのは正直胸が苦しくなるけど。
 勉強が目的で、断るわけにはいかないし。
 あたしはばっちりメイクを施してゴスロリを着る。

 この戦闘服とメイクがないと、きっと白銀の前には立ってられないから。

 素顔で、ありのままでいいんだよ。
 そんなきれいごと、あたしにだれが言ってくれるのだろうか。