「大丈夫か?」
(また無防備に顔を近づけてくるし)
いくらサングラス越しでも、綺麗な目が透けて見えてドキドキするよ。
と、思ったら。
「きゃっ」
「ついてる」
白銀の指があたしの唇に触れた。
「あ、ありがとう」
ナチュラルにそれをふき取る白銀はやっぱ気が利くのかもしれない。
心臓が持たないぐらいドキドキしながらあたしは目をそらす。
そして気が付けば地元駅が見えてきて。
(なんかすごい長い時間に感じた……)
白銀といると時間が濃厚な気がする。なんて言うかほわほわとしたピンク色な感じの時間。すごく特別で幸せなのに不安な時間。

