青春の花は素顔に咲く


 逃げるようにテレビ局の外を出て、走る。
 このまま走り続けて溶けてしまいそうなぐらい、走る。

「うわあああああ」

 思わず叫んで周りにヒソヒソされる。
 自分で自分が怖くて、不安になる。
 なんなの。なんなの。いつになったらこのドキドキは収まるの? むしろ悪化してる気がするんだけど……はあああああ。しんど。超しんど。胸の奥が痛くてきゅうんとして。のぼせたような、そんな感じがする。

 あたしってこんなに簡単に人を好きになっちゃうんだ。それとも、白銀だからすぐに好きになったのかな。なんだか自分で自分がわからなさすぎる。

「あー……」
「おい、黒野、水」
「わっ、白銀!?」