青春の花は素顔に咲く



「つきました、黒野さん」

 強引に車に連れ込まれて、何も言えないままあたしはとある病院に連れてこられた。
 大きな病院だ、と見た瞬間思う。いったいあたしに何が関係するのかはわからないけれど。車いすの人や、明らかに入院中のガウンを着てる患者さんがいる。薬品のにおいが鼻につんとついてくる。

「なんなんですか」
「ついてきてください」

 言われるがままにおびえてついていくあたし。

「ひっ、死神!?」
「おじいさんしっかり!」

(すみません、ただの私服です)

 あたしの服装におびえたおじいさんが気絶したのが見えた。
 誤解を招く服装でごめんなさい。

 冷や汗をかきながらあたしは黒服さんを追いかけていく。
 そして。とある病室の前で彼は止まった。

(白金タケル? 美香?)