青春の花は素顔に咲く


「はあっ……はっ……」

 誰もいない路地裏でしゃがみ込むあたし。

「怖かったあ……!」

 すごくドキドキして、怖くて疲れた。
 涙があふれて止まらなくて。

 死んじゃうんじゃないかってぐらいに。

 その時だった。背後から誰かがやってきて。

「きゃあああああっ」

 あたしは悲鳴を上げた。すると、その誰かがあたしの顔を覗き込んだ。

「大丈夫か? 黒野」
「! 白銀! 大丈夫だったの!?」

 汗でサングラスが曇ったのか、白銀はサングラスを外した。

「ああ。オレ足には自信があるからな。そんな事よりお前が無事そうで何よりだ」

 そう言って、白銀は何でもないように微笑んだ。汗だくで、息も荒いのに。
 もしかして、あたしを探してくれたのだろうか。

 なんで。あたしなんかのために? あれだけ酷い態度とったのに?

「何であんな危ないこと。正体がばれたらどうする気だったの」