青春の花は素顔に咲く



「いっぱい買った……ふう」

 小さくつぶやきながら大量の参考書を持つ。これでお小遣いはだいぶとんだけど。
 まあ、未来につながるなら仕方がない。
 そう自分に言い聞かせながら街を歩く。

「でさーあの子がさぁ」
「えーそうなんだ? てか今日のメイクやばいかわいい」
「彼氏が好きなんだよね、こういうの」
「いいなぁ」

(……いいなぁ。友達とワイワイとか。美也子は友達だけど、友達多い子だからあんま遊べないし)

 あたしにとって友達は美也子だけだけど、美也子にとってはそうじゃないから。
 独占なんかできない。そんなことして、嫌われたくないし。

「あ、ガリ勉ブスじゃね?」

(! この声……)

 嫌な予感がしてあたしは硬直する。