青春の花は素顔に咲く


「じゃあ、やめなきゃいいじゃん」
「……かもな」

 ボンヤリとあたし達はそう言いながら空を見上げた。特に意味はないのだけど。

「マネージャーに、事情を説明するように言っとく。それでいいだろ」
「まあ、実際付き合ってないもんねあたし達」
「付き合いたいけどな」
「は?」

 今、なんて言った?
 あたしがぽかんとしているとカケルが困り気味に笑った。

「……冗談」
「そっか」

(やばい、心臓に悪いジョークはやめてほしいよ)

 まったくもう。心臓が跳ね上がるかと思ったよ。ドキドキだよ、ひい。
 今もバクバクしてるよ。しんどい。

「カケルがさ、好きにすればいいと思うよ。カケルの人生だし」
「そうだな。誰が泣いても喜んでも、オレの人生はオレの物だよな」
「そうそう」
「ずっとそれを忘れてた気がする。芽以のおかげで、思い出せたけど」
「お互い様だよ。あたしも忘れてた」
「似たもの同士だな、オレ達」
「そうだね。ある意味似てるかも」

 あたしたちは笑いあう。

「人間って、実はみんなそうかもね」

 皮が違うだけで、中身は似てるのかもしれない。
 そんな気さえするのは、何でだろう。

 かけるとあたしはパッと見全然違う。だけど、内面はどこかに通っていて。

「そうかもだし、そうじゃないかもな」
「あはは。言いたいことはわかるよ。カケル」
「外見こそが見えない壁だしなぁ」
「んーそうだねぇ」
「見えるものだけがすべてがないって今ならオレはわかる」
「うん、あたしも」

 それはすごく強く感じる想いだ。
 見た目や言葉さえも、超える何かはあるし。

 一言でそれが言い表せないものなのもわかってきた。

「人間って、綺麗じゃないけどそれがきれいなのかも」
「かもな」
「まるで詩人だね、あたし達」
「いいんじゃないのか。それでも。オレ達しかここにはいないから、笑うやつもいないだろ」
「そだね」
「なあ、芽以」
「何」
「聞いてくれよ」
「いいよ」
「オレな――」