青春の花は素顔に咲く


「カケルの世話係として、あたしからもお願いする! 皆、お願いっ。どうか、前と変わらず過ごさせてください。カケルの夢は、ここを無事卒業することだから……かなえてあげてほしいの! お願いします!」
「「「お願いします!」」」

 あたし達は三人で頭を下げなおした。皆がざわついてるのがわかる。
 そりゃね。皆の立場からしたら、そうなるのもわかるよ。

 好きなアイドルが目の前に突然現れたら、ねぇ。落ち着かないよそりゃ。
 でも、アイドルだって一人の人間だから……学んで、暮らしていかない
といけないんだよ。

「何事かい!? えっ、KAKERUくんその恰好……ショウ君まで!?」

 そうこうしてるうちに、理事長がやってきた。

「すみません、理事長。騒ぎを起こしてしまい」
「ボクも、生徒会長なのに」
「……何があったんだい!?」
「まあ、色々。オレ、これからはこの格好で通いたいなと思ってて」
「ボクは偶然だけど、そうだね。もう変装する意味はないから同じくです」
「はあ……大丈夫なのかい? マスコミとか……ファンの対処とか」
「迷惑はなるべく書けません。頑張ります、オレ」
「ボクもやれるだけ対策はするつもりです」

 二人とも真剣に理事長に訴えた。
 すると。

「お願いします、二人とも普通に通わせてください!」
「うちらいい子にするし!」
「おれらも、生徒会長には恩義あるし」
「まーな、白銀も悪いやつじゃないんだろ?」
「別に、いいよな」
「ああ」

 皆が口々にそう言ってくれて。
 なんだか和やかな雰囲気が出来上がってきたのだ。

「皆……」

 あたしは思わずそう呟く。涙目になりながら。
 かけると生徒会長も少し泣きそうな顔をしていた。

「まあ、生徒がそういうなら、かまわないよ。二人とも、これからも学業がんばるように」「「はいっ」」
「文化祭では歌い踊ってもらうけどねぇ」
「それぐらいなら、オレはやります」
「ボクもやりますよ」
「ふふ、じゃあこれからも芸能活動頑張ってね」

(あ……でも。カケルはもう芸能界は……)