「とにかく! お姫様じゃないんだよ」
「王子様?」
「その通称も恥ずかしんだけどな」
「だって、王子様みたいな見た目だもん」
「……中身はそんな事ないんだけどな。金髪なだけだろうし」
「そうかな」
「だ」
カケルはため息をつく。
あたしは苦笑いを浮かべた。
「見た目で決めつけられるのがしんどいのは、お前もわかるだろ。芽以」
「それはね」
「芸能人だから、仕方がなくはあるんだけどな」
「……うん」
「両親が、どうしてもって言ったんだ」
「うん」
「『私たちの宝物のカケルをみんなに見せてやるのよ』って、笑いながらいつも言ってたんだ」
カケルはうつむき気味に言った。
「『だから、カケルも堂々としてろ』って。まあ、サングラスしてるんだけどな」
「まあ、芸能人だから」
「『胸を張って生きろ。お前は存在だけでおれたちの誇りだ』なんて父さんも言ってた」
遠い目をしてカケルが言う。

