「おかわりあるからね」
「いいのか?」
「うん。お腹いっぱい食べて」
「……本当に、まだ食べるぞ」
「いいんだよ、わがまま言ってよ。友達でしょ」

 カケルは『いい子』のふるまいしか知らないのかもしれないけど。
 どんな風でも、いいんだよ。カケルの根っこが、きっと素敵なんだと思うし。
 いくら『いい子』を演じても、根っこが腐ってればそれは無理があるだろうし。

 にじみ出るもの、ってあると思うんだよね。
 あたしはそんな、にじみでた「本当のカケル」に惹かれてきた。

 きっと誰も自分では「本当の自分」はわからなくて。
 他人の目でもわからなくて。

 だけど、にじみ出るのは本当の自分だと思うから。
 きっと、見つけてくれるのは自分じゃなく、誰かで。