「部屋が、なくなってる」
「……つまりは、そう言う事だね」
(退院なら、いいんだけど、そうじゃないよね)
「二人同時になんてあるんですか」
「現実は小説より奇なりっていうじゃん」
「……そんなの、あんまりですよ」
(これじゃ、白銀がああなるのも仕方がない)
白銀が生きる意味だった、両親の命の維持。
それが、ダメになって。
でも周りは芸能人のKAKERUを求めていく。国民アイドルから。真面目な白銀はそれにこたえるしか、答えを持ってない。
なんて、残酷な運命だろう。
抜け殻になった白銀はひたすら笑顔を作り、心で泣くのだ。
「白銀、どこにいるんだろう」
「思い当たる場所は?」
「……それが、なくて」
(本当に思いつかないよ)
遊ぶこともほとんどない関係だったから。
普段白銀がどこで暇をつぶすかすら、予想がつかなくて悔しくて唇をかむ。

