青春の花は素顔に咲く


「白銀! 白銀はいるか!?」
「……先生?」

 担任の先生だった。青ざめた顔をしていた。

「どうしたんですか、急に」

 白銀は不思議そうに立ち上がる。

「おい、どれだけ連絡したと思ってるんだ!」
「? 何のことです? 先生」
「早く来い! 白銀!」
「……え? あ、はい」

 白銀は何のことかわからない顔で先生に連れられて行った。

「何があったんだろうね? 白銀君」
「……あ」

 生徒会長はきょとんとした顔であたしを見た。

 だけど。

「……もしかして」

 あたしには、思い当たる節があったから。
 バタバタと走る音が遠いていく。
 窓を見れば、タクシーがまっていて。そこには、白銀のマネージャーが呆然とした表情で待っていた。普通の状況にはとても見えなかった。つまりはだ。

 嫌な予感がした。足が震えて声が出なくなった。

(お願い、無事であって……!)

 もしこの予感が当たってしまえば白銀はきっと……。
 そんなのは、絶対に嫌だ。
 この予感が当たらない事だけを、静かに心から祈った。