青春の花は素顔に咲く



 事件が起こったことに、その時は誰も気がついてなかった。
 ただ普通に、皆で勉強をして。
 いつも通りにしゃべって。

 当り前の価値なんか、わかりもせずに時間を消費して。
 でもさ。わかるわけないじゃん。
 なくなるまで、わかんなものなんだよ、普通のありがたみって。

「白銀、スマホめっちゃなってるけど」
「大丈夫だ。今日は仕事は絶対入らないから。黒野たちと勉強を優先するって言ってある」
「ほんとにいいの?」
「ああ。今できることをやらないとな」
「そういうなら、いいけど」

 あたし達はのんびりとノートを開き放課後をつぶしていた。

 白銀と生徒会長両方の放課後があくのは珍しいことで。
 久しぶりの休息、のように思えた。