「……白銀、大丈夫だよ。あたしがいるから。あたしがいるからね……」
ボソリとつぶやいてあたしは白銀の涙をぬぐった。
きっとずっとつらかったんだと思う。さみしくて、怖かったんだろうと思う。
だって、大事な家族だもんね。自分だけ助かって、罪悪感を感じないわけない。だって、白銀は真面目だし。きっと責任を強く感じてたんだ。
「白銀は、悪くないんだよ」
聞こえてないのがわかっているのに、思わずあたしはそう言って。
「黒野……? 何で、お前泣いてるんだ?」
「おはよ、白銀。ちょっと、悲しい物語を読んでたの」
「本は目の前にないけど?」
「……もう片付けちゃった。気分はどう?」
「少し落ち着いた」
「もっと寝なよ。昼休み終わるころには起こすから」
「助かる、黒野」
白銀は優しい微笑みを見せてもう一度眠っていった。
「うん……」
(ねぇ、白銀。いつかあたしに話してくれるかな。つらい気持ちを、吐いてくれるかな)
あたしじゃ役不足かもしれないけどさ。
どうしてもあたし、白銀の一番信頼できる役に立つ女の子で居たいの。
……ダメかなあ?

