青春の花は素顔に咲く


「あああ、無理」

 思わず声に出た心の声にあたしはビックリする。

「何が? 芽以ちゃん」
「すみません生徒会長! 独り言ですっ」

(いっけない、声に出てた)

 危ない危ない……はあ。

「そういえば白銀君スマホ見すぎじゃない?」
「あ、ちょっと仕事で」
「ふぅん。じゃ、ボクらはいくね。頑張って」
「はい、生徒会長、黒野。ありがとうございました」

(なんか目がうつろな気がする……白銀、大丈夫なの?)
 
 なんか落ち着きないし。ため息ばかりだし。
 この前よりどんどん悪化してるクマを消したメイクも気になる。
 本当、大丈夫なのかな。

 ボンヤリとした顔で、白銀はそのままあたし達の前から去っていった。
 本当、ぼんやりしすぎだよ。事故らなきゃいいけど。