「く、黒野君!? 白銀君に胸を当てるのはやめたまえっ!」
「へ?」

 ガシャンと何かが落ちる音がして、振り向けば。

「生徒会長?」

(眼鏡がないとすごい綺麗な顔なんだ……)

 そこには眼鏡を落下させた生徒会長がいて。
 筋の通った高い鼻に、綺麗なすっとした二重。くっきりとした黒い瞳。まるで……。

「アイドルみたい、生徒会長」
「あ……これは、その」
「……ショウ?」
「え? ショウ? ってアイドルの?」

 白銀の言葉にあたしはスマホをいじり検索してみる。
 そしてそこに映ったのは。

「……あれ? 生徒会長じゃん」
「そうだ、黒野。生徒会長は多分……アイドルのショウだ」
「嘘!? なんで!? 気づかなかったよ……あのビン底眼鏡で顔分かりにくいし。何で隠してたの!?」
「わからない。でも。似た声だなとは思ってたが……まさか、生徒会長もアイドルだとはな」
(なるほど。さっきのライバルの意味は……こう言う事かな)

 KAKERUのアイドルとしてのライバルという意味かな。なるほど、納得。

 どっちも確か国民的アイドルだもんね。
 それなら言葉のつじつまが合う。