青春の花は素顔に咲く

「あっ、いたっ! 芽以、ご飯食べよう。って……顔真っ赤だけど大丈夫?」
「何でもないよ美也子。早く行こう! お弁当食べよう!」

 急に現れた美也子にあたしは笑顔を作り答える。
 やばい。白銀と関係を持ったなんて知られたくない。

 美也子は噂するような人じゃないけど、うわさになったら絶対に困るし。

「え? え? 芽以? どうしたの? すごい声震えてるけど」
「なんでもないから! 早く! あたしお腹すいたなぁー!」
「? う、うん?」

 そして強引に美也子を引っ張り、あたしは走る様に教室へと戻ったのだった。