「……お金よりいいものを、もらってるんだけどね、あたしは」
「? よくわからないが。約束だからな」
「家が貧乏じゃなかったらいらないって言うんだけどね」
それぐらい、楽しくそばに入れてるから。
お金なんて、と言える環境であれば断ってる。
だけど、あたしの家は学費を作るので精いっぱいだから、そうは言えない。
それにお金を渡すことでスッキリする気持ちもあると思うし。うん。
「おまえにまた、会えてよかった。黒野」
「本当は、この学校に来るはずじゃなかったんだけどね」
「そうなのか。なら、その偶然に感謝だな」
「……でもね。きっとその後の進路はバラバラだよね。あたし達は」
きっと白銀は、白銀の道を行く。
あたしもそうだ。いい大学を目指す。
お互いの道を無理やり曲げる必要はないから。
だけど。
(本当は、白銀のために働いたりしたい)
でも、それではお金持ちにはなれない。
なのに。

