青春の花は素顔に咲く



 あの日から何かが変わった気がした。
 心が晴れ晴れとした。
 白銀を見ても、苦しまなくなった。ただ、愛しかった。

「おはよう、白銀」
「ああ。おはよう。黒野」

 笑いあって、目を背けずに見つめて。

 なんだか心がとろけそうだった。

「これ、作ってきた勉強教材」
「ありがとうな、黒野」
「えへへ。頑張った。褒めて?」
「えらいな、黒野」

 そんな風に素直に白銀に甘えることもできた。

 あたしはあたしでいいんだ。

 ほかのだれがダメって言っても、白銀はそう思ってくれてる。

 なら、それでいいじゃん?
 ほかの誰の言葉よりも大事だよ。

(なんだか、自分の事を好きになれる気がするの)

 可笑しいね。あんなに悩んでたのに。
 白銀があたしに魔法をかけてくれたみたい。

 フワフワきらきら。

 世界がまるで別物に見えるんだ。