青春の花は素顔に咲く




「で、何で白銀がいるんですか!?」
「そういう要件だからね、黒野君」

 理事長は平然とした顔でそう言った。なんと、理事長室に行ったら白銀カケルが先にいたのだ。わけがわからない。なんでだよ。あたしと何の関係もないじゃんか。涼しい顔でリーゼントとサングラスで理事長の前に立ってるけど、マナー違反じゃないの?

「いったい何なんですか、早く言ってくださいよ。あたしは忙しいんですけど」
「まあまあ落ち着いて」
「時間は有限ですからね。理事長」
「とりあえず、そこのソファにかけて。二人とも」
「失礼します」

 白銀は淡々とそう言って座った。なのであたしも不満に思いながら大きなソファに腰掛ける。本当、早く要件を言って教室に戻らせてほしいよ。

「あらためて、こんにちは。黒野君、白銀君」