青春の花は素顔に咲く



 昔から、勉強ばかりしていた。
 お金が欲しかった。少しでも、かしこくなればいい大学に入って稼げると思ったから。

 頭は別に良くなかった。とにかく勉強に時間を使うしかなくて。

「黒野さん、遊ぼう」
「ごめん、あたし勉強しないと」
「またー? たまには遊んでよ」
「……ごめん」
「まあまあ。黒野さんはうちに興味ないんだよ」
「そうだね。自分しか興味ないんだよね」
「ちがっ」
「なんかアタシらを下に見てる気がするもん」
「わかるー」

(ちがう、のに)

 あたしは本当は遊びたい。
 だけど、そうすれば普通以下に戻ってしまうから。

 遊んだりおしゃれしたり、そういうのをすれば、きっと……。