瞳の奥の美しさを君は知っている

「完成!」

静けさをかき消すような大きな声で結翔が言った。

「え?ほんと?見して見して!」

絵を覗くと…

(やっぱり…。)

「綺麗な色だね…。」

彼から私はこんなふうに見えてたんだ。

白く細い肌に、薄みがかったピンクの頬、黒くて長い髪の毛。

「私ってこんなだったんだ。」

「うん。僕から見た君。とっても綺麗。」

「ありがとう…。」

なぜだか声が震えた。

(あれ…?目から何かが…)

「律!どうしたの?この絵嫌だった?ごめんね??すぐ外すから!泣かないで!」

なんでだろう。

ずっと泣かないで生きてきたのに。

私強くなったと思ってたのに。

なんで泣いているんだろう。

(結翔くんといると調子狂う…。)