トクットクットクッ…
はち切れそうな心臓の音が耳に響く。

心地よい風が彼のさらさらな髪をなびかせた。
そのひとつひとつが愛おしいと感じる。

(早く言わないと…!!)

そう思うが、口がなかなか開いてくれない。

たった2文字の言葉が言えない。

(告白ってこんなに大変なんだ…)
もちろん初めての体験だった。

そのまま、沈黙の時間が流れる。
これ以上待たせられないと思い、意を決して言葉を放つ。

「結翔くんーーー」