i -アイ-





REIGNにはそこそこ伝統があって、全国トップ。


財力も権力も、全てにおいてトップクラスを集める集団。


そんなところに、ただの秀才枠が呼ばれた。


あたしを一人の人間として認めたとしても、そんなのは一切関係ない。


「蓮、三國に俺を呼んでこいって言われたんでしょ?」



返事をせずに、あたしを真っ直ぐに見つめる蓮。



「なぜだと思う?なぜ、三國は蓮にお願いしたんだと思う?」



「……ぁあ?」



ああ、暴れん坊くんの片鱗が出てるよ。



「同じクラスだから、同じ学年だから。……本当にそんな理由かなぁ?」



どんどん、殺気じみた雰囲気を醸し出す蓮。


悲鳴をあげる子達もいる。



「蓮、お前は俺の友達だよ。お前の人間性は凄く好きだ。」



蓮は、あたしが何を言いたいのかほとんど分かってない。



「でもね、蓮。三國が欲しいのは久遠藍人じゃない。」


蓮の顔から力が抜かれていく。


「お前なら分かるはずだよ。お前が、三國に頼まれた理由は、お前がREIGNの中で一番」



言いたくないけど、事実だから。




「弱いからだよ」



フワッと笑った。



ドッ



蓮に胸ぐらを掴まれる。