i -アイ-





結構さっきのが効いたのか、静かな三國。



「よし、出来たわ。治るまでしっかり冷やすように。」



先生が道具を片し始める。



「橘くんを諭すような話し方する子、珍しいわね?」



ふふ、と笑う先生。



「完璧な人間なんていない、っていうじゃないですか。」



あたしも笑って、三國の背中を押した。



体育館まで歩きながら考えた。



三國、ごめん。ありがとう。

分かってるよ。ちゃんと。



「三國」



「ん……?」



「……、辛い?」



あたしの言葉に立ち止まる三國。



「やめる?」



あたしと関わること。



誰もいない、この廊下で、沈黙が流れる。


けど、三國は答えた。


あたしを抱き締めて。



「やめない。」


あたしの首筋に顔を埋めて、くぐもった声でそう言った。



「いつでもやめていいからね。三國はここではREIGNの橘三國だから。やめても、あたしは怒らない」



三國の腕の力が強まる。


けど、フッとあたしから離れる。


うん、足音が聞こえるね。



「三國、時間だ」



そこにいるのは、暁さん。



「……おう」



しんみりしちゃったな。