i -アイ-





「やっぱお前バケモンだな!」


滝谷が楽しそうに叫ぶ。


まあ、楽しいのは少しの間で、司さんと暁さんの身のこなしに置いていかれる1年生。


最初は取らせよう。


あ、今だ。


少しの緩みを見つけて、


ダンッ


司さんのドリブルをかっさらう。


「あー、バレた?」


一気にゴールへ走り、タイミングをずらしてスリー。

ザシュッ


歓声が上がるけど、点数は全然負けてるんでまだ集中しますよ。


暁さんと司さん以外の人もちゃんと上手い。


けど、あたしのディフェンスにイライラし始めてる人が一人。


こっちだって、一人で戦ってる訳じゃないんでね。


その人の後ろから蓮がボールを奪い、前線へ行く。


ディフェンスが着く前にパスを貰う。


「あは」


前に暁さん来た。


踏み切って、跳ぶ。暁さんの身長分、ね。



「ぁあ?」



普通にじゃなくて、バク宙の原理?

説明しづらいけど、そんな感じ。


足が着く前に滝谷にパスする。


固まる周り。もちろん滝谷も。



「ボーッとすんな、パス」



その声にハッとした滝谷があたしにボールを戻す。


あたしがシュートを決めれば、ドンッと体育館が震えた。


歓声で。