i -アイ-





終わった。



「はー、俺頑張ったよね、蓮」



「あぁ」



最後の握手、西尾佑樹は



「お前あんまり調子乗るなよ」



死んだような目でそう呟いた。


だから、周りに見えないように手首を捻り上げた。



「アンタもね」


「イッ!!!!」



その後なんだのかんだの騒いでたみたいだけど、試合を見ていた人ばかりで相手にされてなかった。


「それにしても、バスケの3年生あんまやる気ないのって、やっぱ捨ててる感じ?」



「誰も暁さんと司さんとやりたくねえだろ」



「三國ですら、バレーやってるしね」



さっきから隣コートで三國のスパイクの恐ろしい音が聞こえてくる。


多分触ったら骨折れる。



「1-Aの皆さん、2-Fの皆さん、バスケの決勝を始めます」



アナウンスが流れる。


よし。頑張るかー。



「はい、1-Aのみんなー。相手に怖いお兄さん二人いますが、張り切っていきましょう」



円陣を組んであたしが声をかける。



「行くぞ!1-A!」


オオッ!と声を出して、コートに向かう。


「あれ〜?久遠じゃん。」


「どーも、司さん」


「またクレープ食いに行こうね〜」


「そーですねー」


この空気感の中で、そのいつも通りのペースのゆるさで話せてしまうのは司さんぐらいだろうなぁ。