「薄々感じてはいたが、アンタは施設育ちで有栖川天に拾われて鬼龍に来たって聞いたよ。頭は悪いが有栖川天には可愛がられてきて、有栖川天を超えたいとでも思ったんだろ?でもそんなことは夢のまた夢で、精神的に落ちて薬に手を出した。いとも簡単に捨てられて、有栖川天を逆恨みしてこんなことして。結局は後悔して有栖川天に殺されてしまいたいと思う」


ぜーんぶ、想像の話。


でもあながち間違ってないんじゃないか?



「分かったようなこと言うんじゃねえ」



「はは、図星か。よくありそうな話だな」



「てめえ」



「俺の口癖はさ、生きてえならそれらしくしろ。生きるか死ぬかはてめえ次第だって言うやつなんだけど、聞いたことあるか?」



ビクッと体が揺れる。



「お前、死にたいんだろ」



「お、まえ、i ……?」



「死にてえが、その勇気もねえ。ゴミみてえな時間だけが過ぎてく。お前はそれに耐えられない」



あたしは立ち上がり、渋木を解放する。



「馬鹿で、弱いアンタを何故有栖川天は拾ったんだろうな」


「うるせえ」


「考えたことあんだろ?なんでだってな。」


「うるせえ黙れ」


ゆっくり起き上がる渋木。


「でも、アンタみたいな馬鹿に分かるわけがねえんだ」