i -アイ-





つまり、宍戸李麻も幹部だった。


慕うものも多かった。


岸麟太郎は、宍戸李麻の後釜として最近幹部になった。


ヤクザの幹部の年齢層が若いのは、まあ、全員死んでったってことなんだろう。


今の言葉、有栖川天はこちら側の人間じゃないんだな。


「天、口を慎め」

岸が止める。


有栖川天は30代前半ぐらいか。


幹部の中での年齢順は、岸、南、有栖川、幹城、臣さんってことか。



「麟さんだってはらわた煮えくり返る思いなはずだろう?このぐらいの皮肉、許して欲しいものだね」



なおも冷めた声で呟き、ツマミを口に入れる。



「それにしても、あの時とは別人のようですね、久遠」



南がメガネを中指で上げてあたしを見る。



「そうですね。あの時はREIGNを守ることが仕事でしたから。でも今は、碧さんを守ることが俺の仕事なので」



「じゃあ、李麻さんはお前の仕事の一部か」


他人事のような冷めた声。

多分これがこの人の怒りの表現なんだろう。


有栖川天。



「そうでもないですよ」



俺の言葉に岸が立ち上がり、ズンズンとこちらに歩いてきて、勢いよく胸ぐらを掴む。



「口開くな」


血走った目。


「表出ろ」


あたしの横を通り過ぎ部屋を出る岸。

言われた通りにあたしも部屋を出る。