i -アイ-





碧さんが臣さんを連れて行って、数十分。


1時間が経ち、交代の人が来てくれる。


部屋に戻れば、楽しそうにガタイのいい男たちが酒と酒のつまみを口にしていた。



部屋の隅にその場に馴染むように座り、出された食事を口にする。


ん、美味い。



「あれ、お前、i か」


少し顔を赤くした1人が、あたしに気付く。


「どの面下げて来たんだ?」


「碧さんも何考えてんだろうな」


「宍戸さんはこいつのせいで死んだんだろ?」



その言葉が聞こえた瞬間、バンッと漆塗りの高足膳が宙を舞う。


場が静まり、コトンと高足膳が着地する。



「祝いの場だ。その話はやめろ」



低く唸るのは、岸麟太郎。


あたしは立ち上がり、



「ご挨拶が遅れました。名雲碧さんの傍に置いていただくことになりました、久遠藍人と申します。よろしくお願い致します」



ニコッと笑う。



「お似合いなんじゃない。人を殺して笑える同士」


冷めた声で他人事のように呟くのは、銀髪の男。


有栖川天(ありすがわ てん)。




鬼龍組幹部。


今の鬼龍組の幹部は組長の鬼龍灯志、若頭の碧さんの他、鬼龍臣、幹城京馬、岸麟太郎、南偉織、有栖川天の5人。