i -アイ-





「さみいな」


と言いつつ酒片手にあたしの逆サイドに座る。


「いや、こっち来んな」


「あ?いいだろ別に」


「酒臭い無理拒否」


「だったら、そっちの奴もだろ」


幹城が来たことで変に安心してしまった自分が忌まわしい。


「つか見張り集中出来ないでしょ。2人とも部屋戻れ」


「てめえ下っ端のくせに口悪すぎだろ。つか、思うんだけどよ。お前俺にだけ口悪くねえか?」


「え?幹城って俺に一生頭上がらないんじゃなかった?」



あからさまに、うっ、と図星な顔をする。

その顔に思わず笑ってしまう。



「お前なぁ」


「あはは、冗談だよ。どうせ、俺が見張りやってるから様子見に来てくれたんでしょ?」


そう聞けば、酒を煽ってそっぽを向く。


「本当に、難儀な大人が多いね。幹城といい、碧さんといい」


「……誰にでもではねえだろ。」


「どーするの?俺が悪いやつだったら」


そう聞けば、幹城はあたしを真顔で見る。


「安心しろよ。ここには良い奴なんて居ねえから」


大切な人だけにいい人でいる。

ここにいる人は皆そうなんだと思う。



「だからこそ、難儀なんだよ」



体育座りをして脚を抱き締める。