「身長もそんなに変わらないし、俺の服で我慢してね」
そう言って渡された白Tと黒のスウェットパンツ。
シャワールームに案内され、シャワーを借りる。
今日は胸つぶしのインナー付けたまま寝るのか。きついな。
仕方あるまい。
体を拭いて下着とインナーを着て、碧さんから借りた服を着る。
身長、変わらないとはいえ、碧さんも180はあるし、そういう道の人だからガタイはいい。
着痩せするタイプなんだろうな。
首元はピタッとしてるTシャツだから、中が見えなくて助かった。
「碧さーん、上がりましたよ」
「ああ、そうか」
パソコンを見て仕事をしていたらしい碧さんは眼鏡をかけていて、あたしの声にメガネを外してこちらを見た。
「洗面所にドライヤーあったでしょ?」
あ、忘れてた。
利人さんにもよく怒られてたな。
「あ、見てませんでした」
「ふっ、変なところ抜けてるな」
碧さんは立ち上がって、あたしの肩を持ってくるっと後ろを向けさせ、背中を押す。
洗面所に向かい、ドライヤーのスイッチを入れて乾かしてくれる。
「髪、柔らかいね。地毛?」
「はい」
頭を触られると眠くなるのは、万人共通なんだろうか。

