今日、核心をつく?
「そうだったんですね。」
「ああ。秀才枠だったんだけれど、友人に推薦してもらって」
秀才枠。
秀才枠からのREIGNは、この人が初。
友人というのは、榛人。
「推薦されるなんて凄いですね。REIGNは条件があると聞きました」
「家柄からなる権力、腕力、知力。俺は家柄は良くなかったんだけどね。その時のNo.1が友人でね」
何度も友人だと繰り返す。
あたしはあくまで、へえ、と素知らぬ顔で聞く。
「君も、秀才枠でREIGNなんだってね」
ああ、ここで言うのか。
返事をせずに食事を進める。
「別に、責めているわけじゃないよ?俺のことを知っていて、知らない顔をしていたことも、近づく俺に怯えた演技をしていたことも」
その言葉に、あたしはくすくす笑う。
「怒っていらっしゃらないんです?」
あたしの顔色を伺って、あたしを見つめる碧さん。
「ああ、怒ってなんかいないよ」
「良かった。碧さんは優しいですね」
「君の方こそ、怒っていないのかい?」
「何を、ですか?この間の尾行のことでしょうか」
ニコニコと微笑んで話せば、碧さんもニィッと笑う。

