i -アイ-





「名雲碧についてなんか分かったのか」


蓮があたしに聞く。

そうだね、蓮のお父さんに聞いたわけだし、気になるよね。



「榛人とつるんでた高等部時代は、いい人だったらしいよ。けど、取り巻く環境が今のあの人を作ってる。ただそれだけしか今は分かってない。」


「……親父は何も?」


「REIGNや榊の人間、御庄の人間を守るには、名雲碧を潰すこと。それが基本条件なのは変わりない。ただそれだけは念を押された。それ以外は教えてくれなかったよ。……まあ、俺は蓮のそばにいる人間だから、必要以上に情報を渡すのは得策じゃないと見たんだろうね」



「慎さんに会ったのか」


暁が反応する。


「うん。亮さんに会うのはあまりに危険だからね。慎さんに、と思ったんだけど、まだ俺への"仕事"の信頼がないからさ。」


あたしへの信頼じゃなく、どこまで出来るのかという確証。


「相手は俺が慎さんと接触したのも勘づいて俺に尾行つけたりしてるけど、一人一人潰してるから家はまだバレてない。多分まだ名雲碧は俺を警戒してる。だから皆に脅威が向くのはもう少しあとになると思う」



「じゃあ今は、お前が危ないってこと?」


司さんがあたしを見る。


「そうですね。弱みがなにか探られてる、そんな感じですかね」