i -アイ-






やっぱ華奢なのはバレるかー。


プールは塩素アレルギーってことでクリアするつもりだけど、バレたら元も子もないし、気をつけなきゃな。



教室で担任から色々説明を受けて、今日は午前で放課になった。



「ねえ」



あたしと滝谷に声をかけてきたのは、



「えっとー、委員長になった子だよね?」



美人でスタイルのいい、絵に描いたようなお嬢様。



「ええ、椿伶香(つばきれいか)。よろしく」



声も凛としていて、姿勢も綺麗。


ただ、性格はキツそう。



「そうだ、椿さんだったね。俺は久遠藍人。こちらこそよろしく」



「滝谷岳」



ボソッとだけ名前を言った岳。

あれれ?さっきまでの人懐っこさはどこへ?



「今日の夕方から、私の家でホームパーティーをしようと思うの。このクラスになったのも何かの縁でしょう?いかがかしら」



わあ、いきなりイベントか。

椿、といえば、確か美容系の会社の娘さんだった気がするな。


さぞお綺麗な豪邸なのだろうよ。



「わあ、楽しそうだね。……でも俺は予定があって行けそうにないな。ごめんね、せっかく誘ってくれたのに」