i -アイ-






椎名さんが、いいと言うなら、これ以上拒む理由がなかった。



まあ、あたしが特別椎名さんを大切にすることはなかったから、外での不安は特になかったけど。



「珍しいんじゃない?お前にこんなに執着する女って」


ゲームをしている司さんがそう呟く。


「なんで司さんが知ってるんですか」


「いや、椎名茉結、俺らと同級生だから知ってるんだよ。そんな積極的な奴じゃないってね」



「久遠には本気ってことか」



司さんと優介さんがからかうように言う。



「椎名茉結は可愛いから人気だしね」



やっぱりそうなんだ。

滝谷も言ってたな。



「それにしちゃ、お前は冷めてるみたいだけど」



「好きでもない人に気を持たせるようなこと、するような人間じゃないので」



「うわあ、お前童貞だろ」


司さんがそう言うと、どこからともなく雑誌が飛んできて司さんの顔にクリーンヒットした。


「あ、わり、捨てようと思って」


わざとだ。


「投げるなよ、ノーコン」


そこからじゃれあいが始まったけど無視。


「皆は童貞じゃないのか」


あたしがそう言えば、三國と暁が固まる。


いや別に悪いことでもないでしょ。