i -アイ-





「あの辺は時々ああいうヤツらが彷徨いてるから、あんまり近付かない方がいいよ。」


頷く先輩は、ここ、と家を指さす。


これまたでかい家だな。


「じゃ」


「藍人くん!ありがとう。ブレザー明日返す!」


あ、ブレザー忘れてた。


「あー…いいですよ、貰っていきます」



「いや、洗って返したいから、お願い」


接点が欲しいってことかな。


「あーじゃあ、明日」


あの先輩の名前聞かなかったな。


どこのご令嬢だろう。

ブレザー洗って明日までに返すって、金持ちになら出来んのかな。


……それにしてもあの路地裏。


なんの用があってあんな場所。


____



「藍人くん」



昼休みに滝谷と話していれば、昨日の先輩が紙袋を持って教室に入ってきた。



「ああ、先輩」



ミディアムボブの栗色の髪。

タレ目気味な二重。鼻は小さくて、唇も小さい。

身長はあたしが立って胸ぐらいの高さだから155くらいか。



「これ、ありがとう」


「いいえ、わざわざ洗ってもらってありがとうございます」


紙袋を受け取って中を見れば、なんかメッセージカードの様なものが入ってる。


「それ、あたしの連絡先、です。」



……ここ教室なのに大胆ですね。