i -アイ-





知ってるとも。



「怖いもの知らず?え、佐伯って怖いやつなの?」



「あ、知らないのか。お前見たことないから外部生の秀才枠か」



「そう。」


この黎鳳学園は金持ち以外は、勉学か芸術や音楽などで長けている秀才枠という特別な入学システムが高等部から用いられていて、あたしはその枠で勉学が優秀だと認められてここに入った。



「ここには、REIGNっていうグループがあって、全国で1番強い未成年のグループなんだよ。そのグループに中等部から初めてスカウトされたのが佐伯蓮。喧嘩も強ければ権力も強い。まあ、表向き喧嘩してるとは言われてねえけど、暗黙の了解ってやつだな」



途中から聞いてなかった、ごめん。


滝谷岳(たきやがく)は、全国にスポーツチェーン店を展開している株式会社Takiyaの一人息子。


父親の社長さんは、気さくな性格で交友関係が広いことで知られていて、結構なやり手らしい。


「お前、聞いてる?」



「あ、ごめん。でも、普通に良い奴だったけどな」



「……ふぅん。そうか」



暴れん坊くん時代知らないから、言えることなのかな?



先生が来て、定刻になると式場である体育館に移動し、席に着いた。