それが毎日になった。


でもある時目を覚ますと、隣にはそいつが居なくて、何故か、何故だか、寂しい気がして、少しの間そこから動けないでいた。


そしたら、焦ったように走ってきたそいつが



「あ!?もう起きたのかよ」


荒らげた声でそう言った。

何故か、安心した。

俺は笑った。



「起きちゃ悪いの?」


笑った。

頬には生温かいものが流れた。


泣いた。


それを見て、そいつは困ったように笑った。



こんな感情はいつぶりだろう。


ああ、母さんが家を出ていった時みたいだ。


捨てられるのは、怖い。


当たり前のようにあったものがなくなるのは、寂しい。


だから、だから……


「お前、お願いだからもう俺に関わるな」


俺は、素性を知られてはいけない。

だから、一人でいる。


そんな丁度いい理由を父がくれた。

俺は、一人がいい。


甘える先を作らせないでくれ。



俺は、弱く脆い。

守るものは自分だけで精一杯だから。



「やだよ。」


いつも通り、ニコニコしてそう答えたそいつ。


何故か、涙が止まらなかった。


そいつは、人の心に聡かった。

俺は一人でいい。

一人がいい。

最初から一人なら何も怖くない。


でも、本当は、



「お前を一人にしない」



一人ぼっちはもう嫌なんだ。