i -アイ-





こんなに簡易的に作った名前で学校に入学出来ちゃうんだから、御庄の力も凄いね。

使うところ間違ってると思うけど。



ブレザーの胸ポケットに花をつけてもらうんだけど、付けている女子生徒の人が手こずっている。



「あ、俺、自分で付けましょうか?」



手を添えると、


「え、わっ」


その人が驚いて安全ピンの先端であたしの手を引っ掻いた。



おーう、痛いね。


そして、その人の顔、真っ赤。

あ、あたしの顔がかっこいいせいか。

すみません。


「ごっ、ごめんなさい!!!保健室、案内します!」



めっちゃ慌ててる。



「ははっ、大丈夫ですよ?気にしないでください。花、もらってもいいですか?」



「本当にごめんなさい……」



「本当に気にしてないので。それにまだお仕事あるんですよね?頑張ってください」



微笑んで花を貰う。


ほーん、そんなにあたしってかっこいいのか。


……って、血出てたわ。



まだ時間も余裕あるし、保健室行ってみるか。


保健室を探して歩いていると、曲がり角で人にぶつかった。



しっかりと。



ドンッ



今日、色々気をつけなきゃいけない日かもな。


よろけたその人の腕を掴み、支える。



「すみません、大丈夫、ですか」



そこに居たのは、佐伯蓮。


2月に会った時より、怪我は治っている様子。

でも、肋を摩ってるから、まだ完治ではないのか。