三國は策士だ。
なんでお前が連絡を入れたくせに、暁さんを来させるの。
今はまだ、あたしは何も言えないのに。
「あいつとなんかあったか」
あいつなんて、呼ばないでよ。
「なんかされたか」
亮さんはしてくれた。沢山。
されたなんて、悪い言い方しないでよ。
「暁」
もう、さん付けなんかしなくていいよね。
「あなたはお父さんが嫌い?」
愚問だ。
好きでもあたしに好きなんて言える状況にない。
「あたしはあなたのお父さん、好きよ」
ゆっくり、視界の中の暁があたしを見る。
「あたしはすぐに信頼している大人に甘えようとする。それが悪いところ。それが、唯一の弱み。だから、ここに頭を冷やしに来た」
缶を置いて、自分の脚を抱き抱えて顔を埋める。
「甘えている暇なんかない。亮さんも、REIGNの皆も、巻き込んだ。……榛人、あなたは何を考えてる。」
謎を置いて行き過ぎだよ。
亮さんは言った。
あいつと俺はお互いによく知っている人間だと。
なら、榛人とも知り合いだということだろう?
「あたしはREIGNの皆を守るよ。亮さんはあたしに道を作ってくれると言った。だから、あたしは亮さんの道を作る。」

