i -アイ-





さすが、春日井さん。


物腰柔らかいのに、芯がしっかりした対応。



「ということで、ラーメン奢ってきます。じゃ、また月曜」



グイッと春日井さんの腕を引き、5人に手を振る。



「ちょっ、久遠!」



やりたい放題のあたしに困惑する春日井さん。



「本当に君、何者なんだ。黎鳳でも、秀才枠だろう?」



諦めてあたしの隣を歩く春日井さん。



「ですよ?ただの秀才枠」


ラーメン屋に着き、注文をする。



「まあ、顔のいい秀才枠ですけどね?」



ふざけて答えれば



「まあ、君が面接に来た時から、一般の方のような印象はなかったけれど」



……そりゃそうか。


春日井さんもきっと、榛人を目にしたことはあるんだろうし。



「榊亮様の隣にいる君を今日目の当たりにして、昔初めて御庄榛人様を目にした時の感動を思い出しました」



あたしが何者か分からなくとも、榛人に好意的だからこそこんなに良くしてもらってるんだな。


「他と違いましたか」


微笑んで言えば


「ええ。もちろん、榊様も群を抜いてカリスマ的存在です。しかし、御庄榛人様は物腰が柔らかそうでありつつも、心惹かれるものをお持ちでした」



懐かしそうに話す春日井さん。