i -アイ-






うーん、普通の女の人とは恋愛するの難しそうだなこの人。

案外強引な人じゃないと。



「あはは、分かりやすいですね」



そう言ってまた歩き出せば、裏口に



「お疲れ、藍」



REIGNの5人が立っていた。


会場では少ししか見なかったけど、やっぱり皆スーツ似合うな。



「皆もお疲れ。もしかして待ってた?」


春日井さんが微かにあたしより後ろに下がり、頭を下げたのが分かった。


あーあ、また仕事スイッチ入っちゃった。



「ごめん、今日は上司の人に迷惑かけたし、これからお詫びに食事行こうとしてて。溜まり場には行けないかな」



フェードアウトして帰ろうとする春日井さんの腕を引っ張り直す。



「いや、お詫びしたい上司の腕掴むか?普通」


司さんが笑う。


「だって逃げるんですもん」


「相当お世話になってるんだな」



ピキピキとコメカミが動く三國。


けれどすぐに笑顔を作って、



「藍がいつもお世話になっております。今日はご迷惑をおかけしてしまい、申し訳御座いませんでした」



「いいえ、三國様。今回は私共の監督不行届が原因です。それに今回は榊亮様の計らいでなんの問題もなく社としての不利益などもございませんでした。こちらからどう感謝を述べていいか」