榛人。
あなたは友達に迷惑かけすぎ。
「ごめんね」
「ふっ、本当にな。でも、藍がいる。それだけで心強いし、やる気が出る。」
これ以上ない愛情の籠った言葉。
「REIGNのことは頼む。相手は御庄藍がお前だとは気付いてない。それに、御庄側では、御庄藍は海外に留学している事になってるだろ」
「まあ、一応ね」
「お前が動きやすいように道は作る。そこは安心して動け。REIGNのメンバーの親たちも自分の子供はなんだかんだ大事にしてるからな。何かあれば助ける。」
亮さんはそう笑って、会場まで一緒に移動してくれた。
扉をあければ、別の世界の人間。
春日井さんに声をかけ、元の位置に移動する。
亮さんは色んな人に声をかけられながらも、黒木社長に話しかけに行った。
最後まで仕事をし、片付けをして着替える。
私服に着替え、更衣室を出れば、
「お疲れ様です、春日井さん」
「お疲れ様」
私服の春日井さんが壁にもたれて立っていた。
「どうしたんです?」
「……いいや。」
ああ。
「もしかして、心配してくれてます?」
あたしが亮さんと知り合いだとしても、今日の出来事は普通の子供からしたらショッキングだ。
それに、今まであたし真面目に働いてきたし。

