i -アイ-





「分かったよ。信じる。」



あたしのそばに居ることで、危険にさらされることには変わりない。

けど、絶対に守る。


「じゃあさ、蓮。放課後練習しようか」



「……練習?」



「喧嘩の」



「は?」



____



「蓮はね、1個1個の動きがデカい。だから、内側に入られると」



グッ、と唸る蓮は地面に倒れる。



「何やってんのあれ」



「特訓らしい」



学校の屋上で蓮の喧嘩の練習をする。


もちろん手加減はするけど、思ったより蓮はウエイトがない。


「まあ、蓮がどういう喧嘩をしたいかによるけど、俺みたいなライト級で相手の急所を無駄なく狙っていくタイプならもっと細かく動かなきゃな。暁さんや三國みたいなガタイのいいタイプならまだ大振りして万が一ボディ打たれてもダメージは少ない。でも、蓮はまだ細いからなぁ」



「お前は、どうやって喧嘩覚えたんだよ」



ゆっくり立ち上がる蓮。



「独学。俺はセンスいいからさ」


そう煽れば蓮はあたしに立ち向かってくる。



さっきよりは素早く動けてる、けど、



ズドッ



膝裏を一撃。



「うわぁ、痛そう」



優介さんがぼそっと呟く。


蓮は地面に膝と手を着く。