i -アイ-





まあそれを鵜呑みにするほど、あたしも馬鹿じゃないから、あたしの正体や目的は話していない。ただ、お互いの利益のためだけに。



「REIGNには手を出させないから心配するな」


まあ、これも、あたしを信じられるかは別だけど。


「俺は信じる」


あたしの眉間に力が入る。



「は?」



「俺は信じることにした」



この期に及んでこいつは何を、



「お前に何を言われようが、俺はお前を信じる」


真っ直ぐに俺を見る蓮。

考えることを放棄しているようではなさそう。


「俺は自分で自分の尻拭いをする。だから、お前も俺を信じろ」


何が言いたい。


「全部を疑うのは、疲れるだろ」


……何だそれ。


お前が、じゃなくて、あたしが?


「それに慣れるのは、悲しすぎる」


そうだな。

あたしは、信じることが出来るものを置いてきた。

今ある状況で、優しくて信じられるものはあっても強くて信じられるものはない。



「俺とお前で動くんだろ?俺はそばにいるから。信じろ」



自分が守られるってところ、嫌ではあるけど諦めた、ってことか。



「お前は、可愛いね」


ふっ、と呆れるように笑えば、るせえと言って顔を逸らす蓮。